「あの、ね……わたし、しおりを作るのとか、すごく、いいなっておもって……それで、その…」
どうやらアドリブは苦手みたいで、言葉は途切れ途切れだけど必死に紡ごうとしてることはすごく伝わってくる。
さっきまで緊張しつつも、しっかりとみんなをまとめてて、ほんとに真面目なしっかり者って感じだったのに目を見て話すのは苦手なんだなぁ、なんてことを考えつつも、しっかりと委員長さんの声に耳を傾ける。
「わたしが、頑張るから……迷惑とか、かけないようにするので、作れないかなって……だから、あなたのアイディア、使わせてもらっても、いいですか?」
委員長さんはすごく緊張してるみたいで、手も少しだけど震えてる。
わたしは委員長さんの震える手をパッと取って言った。
「うん!嬉しいよ!そんなんでよければ存分に使って使って!」
「ありがとう!」
わたしが嬉しいと答えれば、嬉しそうに笑う委員長さん。
その笑顔に安心して、取った手をそっと離す。
「こちらこそありがとう!そんなふうに言ってもらえると思ってなかったから嬉しかった!」
これはほんとに本音。でもわたしにはひとつ気になることが…
「ねぇ、委員長さん。さっき"わたしが頑張るから"って言ってたけど、わたしに出来ることがあったら遠慮なく言って!しおり作りとかは委員会の仕事なんだから、わたしがじゃなくて、みんなで頑張ってこうよ!」
わたしの言葉に委員長さんも頷いてくれた。