「お待たせしました…!」



鞄を持ってそう駆け寄ってきてくれた琴ちゃんにわたしは真悠くんの教室にも行ってもいいか聞こうかと思ったけれど、少し考えてやめておいた。


同じ委員会とはいえ、あまり喋ったことがないとしたら琴ちゃんは緊張してしまうかもしれないし、2人の仲の良さを知らないうちはやめておこうと思って琴ちゃんと2人で委員会に向かう。



「しおり作りどう?進んでる?」



わたしは気になってる話を聞いてみた。



「うん!みんな結構参加してくれてて、それぞれ作り方にも個性があって面白いよ」



みんな参加してくれてるんだ!よかったぁ!


琴ちゃん1人に負担がかかってしまうのだけは嫌だなと思ってたから。



「そっか!よかった!わたしも参加したいんだけどほんとごめんね」


「ごめんなんてそんな…!今日委員会の後、そのまま少し残ってやるつもりだから、もし茉乃ちゃんが良ければだけど、一緒にどうかな?」



わたしがしおり作りを言い出したこともあって、作りたいって気持ちをわたしが持っていることも琴ちゃんは分かってくれているんだろう。



「え!やるやる!やりたい!」



即答してわたしがそう言うと、琴ちゃんは安心したような顔を見せたあと嬉しそうに微笑んだ。