「だ、大丈夫だ…」



私に向かって無理して笑顔を作ろうとしていた。



「全然大丈夫じゃないよっ…」



また涙が流れ出した。



私のためにこんなにも戦ってくれている。



無力な自分に本当に腹がたった。







優人は立ち上がり、ハンマーを風に振りかざす。



「う゛っ…!」



優人が苦しそうな声を出す。



傷口から勢いよく赤黒い液体が流れ出た。








しかし、運良くハンマーは“ヤツ”にあたった。



ボキンッ!!



ちょうどあばら骨ぐらいの位置だった。



普通の人だったらもう動けないだろう。



でも風は全く表情が変わらず“無”のままで立っていた。