碧斗だけに、私にはお仕置するものと思っていたが、キスも抱きしめすらない。
それがまた寂しくて……
リビングでテレビのリモコンを握りチャンネルを変えていると、碧斗が部屋から何かを持ってきた。
それを私に見せる。
「 親父たちから 」
これ……
「 招待状? 」
結婚式の、だよね……
「 あと、俺のスーツと伊織のドレス服?なんか預かってきた 」
もう、準備できたんだ……
「 私…… 碧斗を…… これからは、兄ですって紹介しなきゃダメなんだね 」
招待状が滲んで見える。
「 伊織 」
お母さん、私……
碧斗が好きなんだよ。
碧斗が強く、強く抱きしめてくれる。
そして、結婚式は行われる。
天気も良く父と母を天が祝福してるかのよう。
母が、夢見たウェディングドレス。
嘘偽りなく、素直に綺麗だと思った。
「 お母さん、すごく素敵だよ 」
「 ありがとう 伊織 」