観覧車を降りて小腹を満たす。



「 伊織ちゃん、次はどうしたい?」



碧斗が怒ってるだろうから早く帰りたいようで帰りたくないし……

せっかく来てるから遊ばないと。



「 俺、高校の時彼女いたんだけど、ほんとは好きなヤツがいたのに付き合ってて… やっぱ、好きなヤツと遊園地で遊ぶのは楽しいよな 」


「 滉君…… 今、ちょっと矛盾してたよ? 彼女いたけど、好きな人がいたの?」

「 うん、そう 」



え、そうって……

二股?

滉君がそんなことするとは思えないけど……



「 俺、意外とモテてたんだよね~ 」

「 意外って、モテてるよ!だって滉君カッコいいよ、彩膳の一人じゃん、碧斗と同じだよ 」

「 お~ わかってるね、伊織ちゃん。でも、伊織ちゃんは俺じゃなく優雅でもなく、碧斗を選んだ、悔しいねぇ 」



滉君……

あの時、一目惚れしたのが滉君だったら今は違ってたかもしれないね。

でも、私は碧斗にまっすぐ惹かれたの。


兄と妹だとしても、好き。