滉が私のために遊園地へ連れていく。
冬の遊園地、やはり人は少なめだ。
「 滉君、寒くない?」
「 寒い!でも、寒いのにアイスがうまかったりするだろ、それと同じ 」
そうだね、それはわかる。
でも寒いよ?
滉は絶叫系をすべて乗ってから休憩だといい、あまり絶叫するには気乗りしない私は少々腰が引けた。
「 滉君、それはまずいよ、胃がでるから!」
「 大丈夫、階段を降りずに飛び降りたと思えばいい 」
それ、例えになってなーいっ!!
何種もある絶叫マシン、平穏なカーブを滑るようなジェットコースターがどんなに穏やかに感じるか。
人が少ない分、スピード感が怖かった。
「 あー、寒いのに気分良し!」
「 滉君すごいね、私もうダメ…… 」
「 発狂する時ってさ、腹の底から声でるだろ?無意識で叫んでるしね、少しはスッキリしたんじゃない?」
あ……
確かに少し軽くなったかも。
お腹の中に溜めていた重い気持ちが、軽くなった。
「 今日は、碧斗の許しもあって着てるし、ちゃんとデートしようぜ! な?」
滉が描いで私に手を差し出した。
碧斗も、碧斗から話を聞いた滉も、私を心配してくれている。
私が一人拗ねても意味がない。
大丈夫、そう言い聞かせ手を繋いだ。
「 滉君、観覧車で休憩しよう 」