車の中で碧斗に聞かれた、明日は本当に仕事なのかと……

碧斗は知ってる、私が連休で休みだと。

そして、こうも言われた。



“嬉しくないんだな”



ドキッとした。



「 おかしいよね、私 娘なんだよ、なのに親の幸せを喜んであげられない…… 」

「 結婚式って、意味が受け入れがたいんだろ?」

「 わかってるなら聞かないで…… 」



私はドラッグストアの再契約で記名する時、すごく躊躇した。


木崎 伊織と、芹田 伊織……


本当なら木崎の姓を名乗るべき、私は芹田 伊織て記名した。



「 伊織、単純に考えろ。ただの式だ、形式的だから気にするな 」



碧斗は男だから、きっとわからない。

女には特別だ。

爪の手入れひとつも大切、母は以前の父とは式を挙げていない、入籍だけ。

いくつになっても憧れる結婚式。



わかっているのに、私は悪い娘……