テーブル上に置いたスマホが静かにラインの着信を知らせ、菜月からで画面に目をやると……



“伊織、利香から聞いたよ!あんたが幸せな恋愛してて良かったよ、私も嬉しい”



続きは見れなかったが、涙が込み上げてくる。

私は友達に良かったと言われる恋愛をしているとわかり、涙を浮かべている。

嬉しいから。


それは母も同じなんじゃないかと思った。


祝福されたい、娘の私から“おめでとう”の言葉がほしいだけ。

なのに、私は……


碧斗との事だけしか、考えてなかった。

こんな私を見てか、碧斗が口開いた。



「 いいよ、式挙げても 」



え……



「 碧斗君… 」

「 碧斗、ありがとうな 」



碧斗… どうして? そんなあっさり……



式を挙げると言う事の意味を、碧斗はどう考え思ったのか……

私の顔を見て、碧斗は優しい笑みを見せた。

喜んであげたいのに、まだ素直になれない私は、碧斗に決断させてしまった。