碧斗が迎えに来る、それだけで高鳴る胸。

何を作ろうか悩み続けた結果、碧斗に決めてもらう事にした。

そして碧斗が迎えに来る時間を店の外で待っていると、母から電話が。

相談したいことがあると言う。



「 伊織 」



碧斗が迎えに来た事を伝えると、碧斗も一緒にと言われた。

急きょ、家に行く事になった。



「 相談って、なんだ?」

「 わかんない 」



碧斗は胸騒ぎに近いものを感じていた。

それは伊織だけはが知らない事……

それを話すんではないかと内心困惑する。



「 夕飯作りはお預けだな 」

「 あ、ほんとだ~ また次回って事で 」



良かったぁ。



「 喜ぶな、絶対作らせるからな 」



そう言われても今は助かったと思ってホッとしている。

家に着くと、和食料理がテーブルに並んでいた。

碧斗はすぐに父のいる部屋へと行った。



「 お母さん、料理だけは上手だよね 」

「 料理だけって失礼ね、ま、裁縫とかはダメだわね 」



他愛ない話をしながら気になる相談とは何か、聞きたくなる。