時間が過ぎ、ファミレスを出る。

利香は楽しかったようで、また碧斗もモーニングしようと誘っていた。



「 伊織、またね 」

「 うん、またね 」



私は碧斗にドラッグストアまで送ってもらう。

利香に碧斗が離れられない運命の相手だと言われ気分が穏やかだった。



「 今日はバイト休みだから夕飯作るぞ 」

「 え! 作ってくれるの?」

「 違うだろ、作るのは伊織。俺も手伝うから、な? じゃ迎えに寄るから 」



そう言って碧斗は一旦帰り、大学へ。

私は悶々としていた。

夕飯を作らなくてならないから。



「 伊織ちゃん、どうしたの? 気分悪い?」



心配して声をかけてくれたのは奈々美の母で職場のパートさん。



「 実は料理がダメなんです…… 」



そうなのね、と優しく料理のアドバイスをしてくれた。

立派な物を作ろうとせず、料理の基本に添って作れば大丈夫と。

簡単な料理が一番美味しい時もあると。

言われて思い出したのは、碧斗に作った目玉焼き丼。

美味しいと言って全部食べてくれた。



「 私、頑張りますっ 」



で、何作ろう?