私の寝坊話は終わらせて違う話に変えたのは利香だった。
「 今さらだけど… 伊織と碧斗君ってカップルっぽくないね 」
「 え、なんで? 」
カップルっぽくない?
「 イチャイチャしてるの見てないからかなぁ 何て言うか、大好きな妹を守る兄貴?
でもそこに感情があるから恋人なんだけど… 自然だからかなぁ?」
わかるような、わからないような……
私と碧斗は、自然体?
一緒に暮らしてるから?
「 あんまり気にしないで伊織、恋人なのは知ってるし、二人の時はイチャついてるんでしょ~ 」
何だろう、何かが引っかかる感じがする。
利香に悪意などはない。
思った事を口にしただけの事。
難しい……
家族だから自然体なのか……
兄と妹を感じさせたのか……
この気持ちは、碧斗に対する気持ちは止まらない。
壊れない感情。
「 伊織 」
碧斗の声に顔を少し横へ向ける私……
「 …わ 」
利香の声、それは驚きと赤面する光景を目にしたから。
碧斗が、利香の前でキスをした。
チュ… と一瞬。
利香にどう写ったか……
碧斗は放心の私に言った。
「 伊織、俺はお前しか見えてないから 」