初めて彩膳に行った時のアイスを食べていたら碧斗はどう思ったろう。

今は私一人でアイスを食べ、碧斗の気持ちが体へと溶け込むよう。

そこへ滉が控え室に来た。



「 伊織ちゃん 」

「 滉君! お疲れ様 」

「 お~ いいね、お疲れ様なんて碧斗すら言わないからね 」

「 碧斗らしいかも 」



滉は私がアイスを食べていた器を見て、ニッコリと笑って見せた。



「 食べたんだ、碧斗のアイス 」

「 うん、美味しかった 」

「 ふ… あの時、伊織ちゃんが食べないって怒ってたな~ ほんとわかりやすいな奴 」



怒ってた…… そうなんだ、短気だなぁ



滉は嬉しそうに器を持ち控え室を出た。

控え室は私だけがいて、店内からの音楽が少し聞こえる程度。

どことなく落ち着かず、座っているのもそわそわする。

スマホでゲームでもと思ってやっても、やりきれない。



家に帰って待ってようかな……