なんであんな言い方したんだろ……

私がもっと気をつければ良かったんだよ。

なのに、大嫌いなんて……



「 伊織 」



立っていた碧斗がしゃがんで膝をついた。

少しだけ私が碧斗を見下ろしていて、ドキドキする。

いつもは碧斗を見上げる私だから。



「 碧斗… あ…… 」



顔が碧斗へと、碧斗の手で引寄せられて……


キス。



角度が違うだけで、ドキドキが怖いくらいで……

ただのキスが、深みと甘さが倍増。

自分でも不思議で、碧斗を求めていく唇に止めようがなくて……



「 …ん、っ……碧斗…… 」



碧斗、もっと……



「 …伊織、待て…… 」

「 何…? 」

「 お前…… その顔、ったく。職場でするキスじゃないだろ、危ねぇ 」



あ。

うわ、私ってば!! 恥ずかしいっ……



「 真っ赤な顔を冷ましてやる 」



冷めないよ、どうしよう~ 恥ずかしいよ。

あんなキス……

ダメだ、思い出すだけでドキドキする~



碧斗が控え室を出てすぐに戻った。

その手にはアイスが。



「 新規でご来店のお客様にサービスのアイスです、どうぞ召し上がれ 」



そう言って碧斗は微笑んだ。



このアイス…… 見たことある?