「起立、礼」



ホームルームの終わりの挨拶が聞こえた。





家帰ったら音楽でも聞いてベットでゴロゴロしようかな。


「わっ!!!」明菜はビクッと体が震えた。



突然の声に驚いて振り向くと犯人は幼馴染の前田悠人だった。


どうやら私を脅かそうとしたらしい。


驚いた私を見て嬉しそうに笑っている。



運動神経も良く、身長も高くてすらっとしているが、肩幅は広く程よく筋肉もついている。女の子にはモテモテだが、何故かいつも告白を断っている。




確かにくしゃっと笑った顔は私でも見惚れるかも、なんて思いながら悠人を睨んだ。

「心臓に悪いな、やめてよね!」

「お前がめっちゃいい反応するのが悪い。今日なんもないなら一緒に帰ろう」

「仕方ないから帰ってあげる」

「可愛くねぇ言い方」

悠人は私の机の横のカバンを取って行くぞといった。


私達はお互いの家が近いため一緒によく帰っている。中学校の時もそうだったため私にとっては日常である。


最初は、「2人って付き合ってるの?」と沢山の人に聞かれて大変だったなぁ。


悠人は全く気にしてないから私も気にしないことにした。




「悠人と、佐野さん付き合っちゃえばいいのに」