俺が結依のことを好きなのか?
と、聞かれればなんとも言えない。

もちろん、幼馴染ということもあり好きだ。
だけど、それが友達としてなのか、異性としてなのかはわからない。

あ、そういえば今日、
あそこのスーパー、タイムセールだっけか。
帰りに寄らないと。

「…ねぇ、ねえってば〜!!」

「うわっ…びっくりした…なんだよ、いきなり」

結依は、少し拗ねた表情でぷくっと頬を膨らませている。

元々童顔の上、背も小さい。
なのに、少し大人びた黒髪のセミロング。

お前はツインテールでもして、製鞄じゃなくてランドセルでも背負ってる方がお似合いだぞ。

「いきなりじゃないよ〜!ずっと話しかけてるのに、
大翔(ひろと)が無視するからじゃん!!」

決して無視をしていたつもりは、無かったんだが、
ただ、スーパーのタイムセールのことをだな…。

「ごめんごめん!ちょっと考え事を…」

「分かった!タイムセールでしょ!!」

俺の言葉に重ねるように結依は、食い気味に話す。

しかしまぁ、なんで分かったんだ。

「なんで、分かったんだみたいな顔してるね!
ふっふふ~ん♪
何年幼馴染やってると思ってんのよ!!」

こいつは、エスパーか何かの類なんかじゃないかと疑いたくなる。

結衣は、終始にこやかに幼馴染が何たるかを語った。