「ふむふむ。それは大変だねぇ」






小雪さんはこくこくと頷く





「何か策は考えられぬか?」






「あることはある。だけどとても危険だよ?」





「危険とはどういうことだ?」






「んーとねぇ、僕の作った薬で一時的に狐珀ちゃんを人にすることが出来るものがあるんだ。」






「ほお、」






「でもね、人にするって言っても人の体質に似せるだけで、完全に人になれるわけじゃない。だから、すごく体力を消耗するんだ。」







「それに何か問題があるのか?」







「うん。桜さん。わたしが昨日妖から人の姿になれなかったみたいに、体力を消耗すると、能力が思い通りにつかえなくなるんです。」






「なるほどな。」







「そうだなぁ狐珀ちゃんも妖の中でも上位の方だから、この薬には耐えられると思う。でも、ふと気を抜いた瞬間に能力が停止することがあるんだ。」







「そうか…」







「だから、とても危険。一歩間違えれば狐珀ちゃんの正体が純さんにバレるかもしれない。」






「私、やります。」







「え?」「ほう、」







「それしか方法がないんですよね?」







「そうだねぇ。」






「だったらその薬をください。」







「狐珀?大丈夫なのか?」






「はい!私に任せてください!これでも体力に自信ある方なんですよ!」






「ふふ、狐珀ちゃんは頼もしいね。」







「狐珀…辛くなったらいつでも言え。相談に乗ってやる。」







「はい!頑張ります!」