「…お兄ちゃん」

「…」

「お兄ちゃんっ」

「…え」

「……痛い…」

「あっ、ごめん!」





やっといつものお兄ちゃんに戻った。



ずっと無言でずんずん歩いて行くから…




正直少し怖かった。





「…この公園、昔よく来たよね」





空気が気まずくて、何か喋らないと…



そう思って指さした公園。





私が小さい頃、よく来た。



あの時はお兄ちゃんもお母さんも…お父さんも。



みんなで来た。



家族全員で。




あの頃は、まさかこんな日が訪れるなんて思いもしなかったな…