「どこが好きなの?」
「とにかく優しいんです!」
「…だけ?」
「それにすごく誠実だし」
「…どうかな」
「生まれて17年、ずっと見てきたんだから絶対です」
「それ以前がどうだったかはわからないのにね」
「どうしてそんなに否定的なんですか」
「ゆずちゃんがやけに嬉しそうに話すからちょっとムカついて」
お兄ちゃんが本屋さんに行くっていうのを聞いて、私は先生と待ち合わせた。
お兄ちゃんがよく行く本屋さんはちょっとしたショッピングモールにあって私達は今、噴水のところにいる。
お兄ちゃんが本屋から出てくるまでここで待機。
「先生なら他にもいっぱい女の人いるじゃないですか」
「え、なに。ヤキモチ?」
「してません!」
本当に不思議なだけ。
あの時たまたま保健室にいただけだったのに。
どうしてこうも私に絡んでくるの…?