やっと言えたその言葉は、しんと静まり返った家の中に消えていった。
ずっと俯いて話していた私は、先輩がどんな顔をしてるのだろうと思い顔を上げると、先輩は目の前でしゃがんで俯いていた。
「……あの、先輩…?」
「はぁ〜〜。」
先輩はため息をつくと、顔を両手で隠した。
「さらちゃん……それ本当?」
「こ、この状況で冗談なんか言いませんよ…!」
「そっかぁ〜。」
そういった先輩はへらっと笑い、立ち上がると、
「やっとさらちゃんが好きって言ってくれた。」
「っ、遅くなってすみませんでした。」
先輩からしたらなんなんだよって思うはずなのに……。
「さらちゃんごめんちょっと抱きしめるね。」
「…え?」
───ギュッ