「先輩……私の話を、聞いてくれますか?」


「……うん。」



先輩は、何かを覚悟したような様子だったけど、構わず話し出すことにした。


ここで言わないと、もう二度と言えなくなりそうだから…。



「先輩に初めて話しかけられたその時から、私は先輩のことが好きじゃありませんでした。」


「………。」


「私が何を言っても好きだから好きだからって、恋愛感情を抱いてもいないくせによくそんなことが言えるなって……なんて面倒くさい人なんだろうって思ってました。」


「…ははっ。……うん。知ってた。」



ここまで来てやっぱり思う。


私はなんて自分勝手なんだろうって。



「…っ、でもいつからか、先輩と過ごすその時間が嫌ではなくなっていて。」



先輩との下校や、お昼休み。


嫌というより、むしろ楽しいって思うようになっていた。