ってそんなことはどうでもよくて……。



「あの…先輩話を聞いてもらえますか。」


「その前にさらちゃん。俺君に謝らなきゃ。」


「……え…?」



さっきの無表情とは打って変わって、先輩は申し訳なさそうに……朝のときのような顔をした。



「…朝……本当にごめん。あんなつもりじゃなかったんだけど……どうしても我慢できなくて……。」


「……っ。」


「怖い思いさせた。……本当にごめんなさい。」



そう言いながら、先輩は頭を下げた。



「……っ、やめてください。あの時は私もどうかしてたんです。色々とこう……悩むものがあって、先輩に嫌な思いをさせてしまいました。

……私の方こそ、すみませんでした。」


「さらちゃんは何も悪くないよ。俺が勝手に嫉妬して、八つ当たりしただけだから…。」



顔を上げた先輩は、さっきよりももっと苦しそうな顔をした。


……そんな顔、しないでよ。


そんな顔させたくて、私はここに来たんじゃない。