「あ、あの、先輩……私です。代々木 彩心です。」
《え…さらちゃん?》
先輩が私の名前を呼んでくれたことに、泣きそうになる。
画面から私の顔見えてなくてよかった…。
《…どうしたの?》
いつものおちゃらけた様子はなく、本気で私が訪ねてきたことに疑問を抱いてるみたい。
「あの、私、先輩と少し話したくて……っていうか、話したいことがあって…。その、出てきてもらえますか?」
突然訪ねてきて…迷惑だったかな。
頭を冷やすために早退したんじゃなくて、本当に具合が悪かったらどうしよう。
好きって気づいてから、今まで気にもしていなかったことが一気に心配になってくる。
《……だったら、中入っていいよ。》
「…え?」
中って……家の中!?
「あ、いや、ほんとに……外でできる話だし……!」