あれからどのくらい時間が経っただろう。


気づくと私は、病院にいた。


お母さんも隣にいた。


だけどお母さんは、私の手を力いっぱい握りしめて、顔がぐちゃぐちゃになるくらい、泣いていた。



『ママ…?』


『ふっ……彩心っ……うぅっ……。』



何をそんなに泣いてるの?


その言葉が喉まで出たけど、それから先は、突っかかって出てこなかった。


…目の前のベッドに、お父さんがいる。


私はお母さんの手を振り払ってそのベッドに近づいた。



『パパっ!』



背伸びしてお父さんの顔を見たら、白い布が被せてあった。


なんだろう…これ。



『ねぇママ、パパの顔が見えない。これどかして?』


『彩心っ……パパはねっ……パパはっ……ううっ…。』


『なに?何言ってるのかわからないよ。』