「……大丈夫だよさらちゃん。……じっとして。」


「…え…?」



私を抱きしめるのをやめた先輩は、布団を私にガバッと被せた。



「あれぇ?西宮くん。どした?具合悪いの?」



間一髪のところで、先生には私のことは見えてなかったらしい。



「あぁー!もしかしてまた女の子とイチャコラしてたんでしょー。」


「あ、わかっちゃった?」



“また”……か。



「さっさと教室戻りなさいよー。もう一時間目始まってるわよー。」


「まだ放送されてないよ。また忘れたの?」


「勘違いしないでよねぇ。校長室に呼び出されてて放送できなかっただけだしー。」