12月18日

「寒いなぁ…。」
お気に入りの青と黒のチェックのマフラーから口を少し出し、ほぉっと息を吐いた。
白い息が空に消えていく。私は着ていたチェスターコートのポケットに赤くなった手を入れ、被っていたニット帽を深く被って、家に帰りはじめた。




この時期になると思い出す。
あの時、こうしておけば良かった、ああしておけば良かった…と。
あの事故は私が死んでもきっと、いや、絶対忘れられない。
でも、今から来るクリスマスはもっと忘れられない出来事が起こるのだった。