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社長の実家がある方とは真逆の方向に、電車を乗り継ぐこと二時間。
正月ぶり、つまりは約四ヶ月ぶりに訪れた地元は、都心に比べて建物自体が少ない。
都内では見かけないような大型のホームセンターや駐車場の広いファミレスが、いかに目立つかを競い合うように大ぶりの看板を掲げている。
一方で大通りから一歩脇道に入ると、鉄工所や個人商店や木造アパートが立ち並ぶ、ごみごみした風景が広がった。
古い木造家屋の鍵を開けて玄関から中に入ると、母親が驚いた顔で迎えてくれた。
「急に来るなんて、びっくりするじゃない。ひと言くらい連絡しなさいよ、もう」