小学5年生の夏休みの始めのことだった。


毎年来ている海に、この年も来ていた。


もちろん夏輝もいたし、同い年で幼なじみの滉晴(こうせい)もいた。


私は滉晴のことを『こうちゃん』と呼んでいた。


こうちゃんとは家族ぐるみで仲が良くて、休みの日はこの3人で遊ぶことが多かった。


この日は太陽がギラギラしていて、猛暑日だった。


いつものように3人で海に入って遊んでいた。


ビーチボールで遊んでいると、ボールが沖合の方に飛んでいってしまった。