美嘉がベンチに座ってから早10分。
おかしぃなぁ…皆遅い。
美嘉は誘ってきた彩に電話をかけてみることにした。
プルルルル・・・
「あ、もしもし?」
「美嘉だけど」
「どした?」
「いや、どした?じゃなくて皆遅くない?」
「うちら行かないよ」
「は?」
「昂くんと仕組んだの」
「………?」
「今日祐君と会わなかった?」
「祐君って祐也?」
「そうだよ」
「会ったけど」
「二人が会うように仕組んだの!だからきっと祐君も一人だよ」
「……一緒にいろって意味?」
「そんなとこ」
「ちょっと、意味分かんな…」
ブツッ
美嘉が言い終わる前に電話は切れた。
というか切られてしまった。
美嘉には彩たちが何をしたいか分からず、ただ「ツーツー」と音を発しているケータイをにぎりしめながら突っ立っていた。