「まいどありー」
と運転手の声が聞こえた時にはバスは遠く彼方だった。

気がつくと美嘉がいない。
そりゃ僕なんかと行くわけないしさっさと行っちゃったのかな。
少しテンション下がり気味な祐也だったが腕時計を見て急いで約束の場所に向かった。



真下には川。
真横には屋台が並ぶ、明かりのついているベンチにやってきた祐也は時計を見る。
6時40分。
なのに昂の姿はない。
もしかして先に行ったのかな?
無理もない、40分も遅刻しているのだし。

念のために昂にメールを送ってみた。

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 着いたよ
 今どこなの?
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3分くらいしてから

 Re:昂
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 俺は行ってないぜ
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と意味の分からないメールが返ってきた。

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 どゆこと?
 分かんないよ
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とすぐに返したら

 Re:昂
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 たぶん美嘉も
 お前と同じ理由で
 呼び出されたはずだけど。
 ま、鉢合わせ作戦さ
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と返ってきた。