しかし悲しいかな。

この奥義はまだ未完成だった。

繰り返し言うが、斬鉄を仕込まない夕城の技は、完璧とは言えない。

そしてそれが、龍鬼に通用しないのも実証済み。

痛みは感じたものの、踏み止まった龍鬼。

奥義発動直後の牡丹をギラリと睨んだ後。

「がは!」

高速歩法・活歩で踏み込んだ後、爆発の衝撃と見間違う程の凄まじい威力を誇る拳の猛打、翻子八閃打(ほんしはっせんだ)!

打撃を受けた箇所から、煙が上がるほどの衝撃。

牡丹はガクリと膝をついた後、その場に崩れ落ちる。

最後まで、龍鬼の道着を片手で握り締めたまま。