日頃からチャーハン作ったり、お味噌汁を作ったり、時々お菓子づくりなんかもしてるから料理の腕にはまぁまぁ自信があったんだけど。
お父さんとお母さん以外の誰かに料理を振る舞ったことはなかったから「美味しい」って言ってもらえて心の底からほっとした。
「ほんと?よかったぁ、洋くんが喜んでくれて嬉しいなぁ…ふふふ」
「これで昼からも仕事頑張れるわ、ありがとなあかり」
「ううん。前にファミレスでご馳走してくれたお礼だよ」
洋くんはその後も「美味しい」を連呼しながら、レタスやブロッコリーもあっという間に完食してくれた。
「じゃあ今度はまた、サンドイッチのお礼になんか奢ってやるよ」
「え?いいよぉ、なんか申し訳ないから」
「申し訳ないことねぇよ。また今日みたいにお礼してくれればいいから」
もう洋くんってば……。
またお弁当を作ってほしいなら、素直にそう言えばいいのに。
ほんっと恥ずかしがりなんだから。
こんなに美味しいって言ってくれるんだったら、何度だって喜んで作るのに…。
「うん、わかったよ。じゃあ今度は、アイスクリーム屋さんにでも連れてってもらおうかな?」
「おい……なんで半笑いなんだよ」
「あははっ……ううん、なんでもないっ」