「あっ、洋くんのお父さんっ!お久しぶりですっ!」
「いやぁ、ほんっと久しぶりだねあかりちゃん。おっ、しばらく見ないうちにさらに可愛くなってんじゃん?いいねぇ」
……うん、そしてこのチャラいノリもぜんっぜん変わってない。
「おいクソ親父っ、あかりのことを変な目で見てんじゃねぇよっ」
「はははは、あかりちゃんが可愛すぎてオジサンついつい見惚れちゃったよ」
「見惚れちゃったよ、じゃねぇ殴り飛ばすぞ」
……洋くんがお父さんにキレまくる、っていうこのやりとりも昔からよく目にしている。
ははは、なんて愛想笑いをしたあと「お口にあうかわかりませんが、よかったら食べてくださいっ」と、お父さんにお弁当箱を差し出した。
「おおっ、オジサンまで貰っちゃっていいのかなー?なんか悪いなぁ、ありがとうあかりちゃん」
「いえいえ……ほんとに、お口にあうかが心配なんですけど…」
たまごサンドもツナサンドも、味見に味見を重ねまくったから大丈夫……なはず。
お父さんはお弁当箱を大事そうに抱えたまま、シーソーからほど近くにある丸太の平均台に腰かけた。