「あ!俺、部活行かないと!」


「んじゃぁ待ってるよ?海斗のこと。」


ニコっと、柔らかい微笑みを俺に向ける華利奈。


俺は、無意識に華利奈のおでこに唇をあてていた。


チュッ


ゆっくりとおでこから唇を離す俺の動きをまるで止めるかのように


「…たりない…よ…」


涙を溜めた華利奈が顔を上げて首を傾ける。


「…たく、しゃーねぇなぁ。」


俺は、華利奈の頬にかかる髪の毛を耳にかけてゆっくりと華利奈の唇に近付く…

チュッ


柔らかくて温かい…


甘くて少し、涙の味がした…




「…海斗。部活頑張ってね?」


そんな目で見られると止められないよ……?


でも、また手を出したら…部活に遅れるからこの分は終わった後にでも…


「何ニヤついてんの?変態!」


勘の鋭い華利奈にみすかされる俺。


「バレた?でも、俺はマジだからな♪」


そう言い残して俺は、華利奈に背を向け歩きだした。