―――チュンチュン…
目覚めの悪い朝…。
昨日のこともあってか、あまりちゃんと眠れていなかったし。
いつもはやっていた宿題もやっていない。
一度シャーペンを持ったものの、全然進まなかった。
あのあとどうなったんだろう…
気になるのはただそれだけ。
ワイシャツのボタンをしめて、制服のリボンをつけて、着慣れたブレザーを着て、ひざ丈ほどのスカートをはいた。
今日から衣替え。
やっぱ冬服は夏服に比べて着るのに面倒。
着るのは春以来だから微かに春の香りがした。
「おはよう、千紘。ご飯できてるわよ。」
「いただきますー。」
やっぱりあの事が気になって味さえ忘れた。
学校へ向かってる最中も考えるのはあの事。
冬の制服を身にまとった学生を見ながら考えていた。