「萩原さん、プリント集めるよ?」
「え?プリント?」
「授業の最後に授業中のプリント集めるって言ってたじゃん。」
「あ…ごめん、やってなかった。後で出すから。」
「珍しいね、学年委員長がやってないなんて。」

珍しい…か。
配られたプリントはまだ真っ白なままだった。
授業中はさっきのことばかり考えていて、先生にあてられていても気づかなかったと思うし、周りから見ればぼーっとしてたのかも。

やっぱり胸騒ぎは止まらない。


「ちょっと、聞いた!?」
「え~?何が?」

クラスが騒がしくなってくる。
何か嫌な予感をさせるかのように。