明るい光が眼に差し込んだ。
あれ…痛くない?
目の前にはあの人…相澤陽だ。


「てめぇ何やってんだよ!!」

廊下に響く、相澤さんの大声。
女は相澤さんの鋭い表情にびくびくしていた。

「千紘ちゃん、びっくりさせてごめんな。まず、逃げて。」

私の耳元でボソっと呟かれた声。
そう言って相澤さんは私の背中を押した。

相澤さんの言うとおりに私は教室へと逃げた。
前だけしか見えなくて、でも涙で霞んでぼやけて。

そのあとの授業は、さっきの女子生徒は席におらず、なんだか胸騒ぎがして全く集中できなかった。