「あ、千紘ちゃんじゃん!!」
「なーに陽の奴、可愛い子じゃん」

一緒にいたほかの人たちが私をじっと見つめる。
金髪でピアスを開けていてちょっと怖いけど笑顔が優しい人だった。


「あの、ハンカチありがとうございました」
「わざわざさんきゅー☆泣きやんでよかった」

周りからの視線が痛い。
またきっと何か言われてるんだな。

「どうかした?」
「いや…別に大丈夫です。すみません、失礼します」
「何?もうちょっと話そうよ」
「すみません…」


少し早足でその場を去った。
周りの視線に耐えきれなくて。
相澤陽と一緒にいるだけで、陰で何か言われてるのを考えると怖かった。
彼の好意さえ、受け入れられない。