「おじゃまします……おばさんは?」


凌ちゃん大好きな私の母が、大はしゃぎで出迎えてくれると思ってたのだろう。


静かすぎる玄関で、凌ちゃんは不思議そうな顔をした。


「今日、両親は買い物で留守なの。私の部屋も久しぶりでしょ~?」



私は2階への階段を先に上がる。

がんばって磨き上げたから、階段も廊下もツルツルピカピカ。



私の部屋のドアを開け、

「ここに座って」

テーブルに案内した。

「飲み物持ってくるね。コーヒーでいい?」

「うん……」