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千秋 side

「また、ひとりぼっち……」
私はひとりでゴミ拾いを開始した。本来、グループでの活動である地域散歩の意に反している。
でも、仕方ないよね……。
心の中で呟く。
一生懸命にゴミ拾いをしていると、日射しが強くなってきた。フラフラしながら橋の下へ。
日陰が少し気持ち良かった。
ゴミ拾いがバカらしくなってきて、その場に座り込んだ。
地面が冷たい。ヒンヤリする。熱くなった体から熱を奪ってくれる。
そこへ、足音が聞こえてくる。
タッタッ。
「……」
「誰?」
「ワタシは月詠暦……。よろしく……」
「千秋は稲田千秋。よろしく」
深く頭を下げた暦に対し、私は軽く頭を下げた。
私は、勇気を出して言った。
「一緒に……やらない?」
「うん……」
良かった。言ってみて良かった。今まで、断られてばっかりだったけど、ようやく受け入れてもらえた。嬉しい。
暦はどう思っているか知らないが、私にとって大事な友達ができた。


End