ゆいが財布とケータイを手に持ち、私に駆け寄って、

それから橘くんには聞こえないくらいの声で話しかけてきた。

「…まなみ、頑張ってね!!」


え、なになに。


すごく嫌な予感しかしない。


「ちょっと、お母さんにおつかい頼まれたから行ってくるね!2人で待ってて!!」


ええええ!?!?
急に2人っきりはやばいって、ゆい!!


そんな心の叫びが聞こえるはずもなく、静まり返った部屋には

バタン…


という音が響き、なんの会話もなくシーンとしている。


「あの、さ…」