抱きたい、純粋にそう思った。
東一郎は酔って倒れた歳三の肩を抱き寄せると、思いのほか線の細い華奢な身体に、思わず東一郎の自身が疼いた。
「歳三くんっ!」
東一郎はいよいよ抑えきれずに、歳三に口吸いをした。
頭の中が真っ白になり、抵抗しようともしたが、酒のせいか力が出ない。
歳三はされるがまま小半刻ほどの時間、二人は重なり合った。
息荒れる二人。
乱れた総髪の髪が、やけに艶っぽかった。
歳三は東一郎によって自室へと戻され、歳三も気が付けば酒のせいなのか、はたまた疲れのせいか深い眠りについていた。
まだ女を知らずに迎えた“初夜”である。
寝つきが悪かったのか、未明に目が覚めてしまうと、腰と頭が痛い。
歳三は昨夜の出来事が痛みと共に、走馬灯のごとく思い出された。
無性に羞恥心に襲われ、東一郎と顔を合わせたくない。
歳三は再び布団を被ったが、眠りにつくことは出来ずに無情にも夜明けはやってきた。