里中理紗二十八歳。

 職場の後輩、美也子の結婚披露宴の客席に座っている。

 美也子のほわぁとした可愛さを引き立てる、やわらかなデザインのドレスが良く似合って、幸せ最高潮の時であろう。


 しかし、もうかれこれ十五回目の結婚式参列となると、初めて結婚式に味わった感激と感動が心にやって来ない……


 丸テーブルの間を歩く新郎新婦に、「おめどう」と声が上がる。


 勿論、私も心から「おめでとう」と声をかけた。


 大切な後輩の幸せを祝福するのは勿論の事だ……



 ただ……


 このテーブルのメンバーの顔をみると、現実へと戻され、思わず笑いが漏れそうになってしまうのだ。