ガラガラッ


「いらっしゃいませー!」



扉が開く音がして、反射的にそう言って振り返ると、



「………いつもので。」



…あの常連さんだった。
笑顔が引きつるのが自分でもわかった。



「しょ、承知しました!」


私は逃げるように厨房に向かった。


あーやっちまった!不自然!不自然すぎる!
絶対こいつ俺のこと避けてるだろって思われたよ!



「…てんちょー。月曜日の常連さーん」


「あいよー!悪いがそこにある焼き鳥も…って、沙夜華ちゃん?どうかしたか?」


「いや、何でもないです…。焼き鳥もってきまーす」


私は自分の腕時計を見た。20時を回っている。


「あの時間に来たらあの人でしょ…。」


はぁ、と自分を責めるようにため息をつく。