「おぉーー!!ひっさしぶりに来た!」



大きな建物を見上げ、テンションが上がる。



あ、クレープ屋さんがある!

アイスクリーム屋さんも!!

食べたいな~



「ねえ、裕翔!あれ奢ってよ!」



そう言って、少し先にあるアイスクリーム屋さんを差した。



「んー……じゃ、じゃんけんでお前が勝ったらな。」



やった!



じゃんけんの強さには自信があった。



「ただし_俺が勝ったら、今日1日お前は俺の言うことを聞く。いいな?」



んなっ!?

もし負けたら、何をされるかわからないってこと…!?



まあ、どうせ私が勝つし、いっか!



「「さいしょはぐー!じゃんけんポン!」」



私は、ぐー。裕翔は…



げっ!!ま、負けた!!?



「ふっ、俺の勝ちー」



やりー、と言いながら、先へ進んで行く。


えー!?

さ、最悪なんですけど!?!?



うー、勝つ自信あったのになー



「悔しいけど、まーいいや。で、何すればいいの?」



裕翔は少し考える素振りを見せ、あれ、と指差した。



指した先にあるのは、私が奢ってほしいと頼んだアイスクリーム屋さんだった。



よりにもよって、あいつ……!!!



「うー、分かったよ!」



悔しいほど笑顔を見せている彼を睨みながら、アイスクリーム屋さんへ向かう。



裕翔の好きな味はよく知っている。



まず、チョコレートやバニラなど、甘いものは苦手。

だから、ソーダ味のアイス。



「すいません!ソーダ味と、苺味、1つずつください!」



ついでに、自分の分も買って、裕翔のところへ向かった。



しかし、



裕翔…?



彼の周りに、知らない女子が数名集まっていた。



相変わらず、モテモテだなー…



仕方ない。

邪魔をするわけには行かないし、近くのベンチに腰掛け、自分のアイスを食べる。



ん!美味しい~!!



予想以上に美味しくて、パクパクと食べてしまう。



と、



「あれー?君、一人?」



話しかけられ、顔を上げると、大学生くらいのチャラそうな知らない男の人。



「わっ!可愛い~!ね、今から俺と遊ばない?」



ニヤニヤしながらこちらへ向かってくる。



ちょ、ちょっと、怖い…かも…



後ずさりしながら、



「えっと…今、お友達と来てるので…」



そう言うと、彼の表情が一変し、一気に目付きが悪くなった。



「は?俺に逆らうんだ?」



その瞬間、ぐっ、と手首を握られ、痛みが走った。



こ、怖い…!!