そして今日、1番私を苦しめることになる出来事が起こる。






今日は今まで、1度も裕翔と話していなかった。





お互い避けていたし、目も合わせなかった。





そんな時だ。






「真凛ちゃんと、何かあった?」





裕翔にそう声をかけている、華乃ちゃんの姿。





しかも、私の名前が出ている。





「…え?」





裕翔は、なぜ分かったんだ、と言いたげな表情を浮かべている。






「今日、登校も別々だったし、あまり喋ってないでしょ…?私…心配になって…」







その言葉を聞いた瞬間、私の中で、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。






こうさせたのは、あんたでしょ!?





何偽善者ぶってんの!?






言いたいことはたくさんあった。




「私でよければ、話くらい聞くよ?」





そう言って、裕翔の腕をつかんだ。





それを見た瞬間、前へ1歩踏み出そうとしたとき。




「…ありがとな」




そう言って、彼女の頭を撫でた、裕翔の嬉しそうな顔は、何よりも1番傷ついた。