1人だけの通学が、こんなに寂しく感じるなんて初めてだ。





最近は裕翔と通学することが多かったから、感覚を忘れてしまった。






「はぁ…」





思わず、ため息をついてしまう。





裕翔は、まだなのだろうか。






そんなことを考えていたとき。







タッタッタッ…






靴の音。






まさか、なんて思ったが、振り返らないことにする。





振り返ったら、喋れない事に悲しくなるから。







その靴音は次第に近づいてき、とうとう追い越された。





「何も、話し掛けて来ないんだ…」






目の前の大きな背中。






それはやはり裕翔であった。






「仕方ないか、あんな態度とったら、嫌われるよね」