「い、行ってきまーすっ!」



走って学校へ向かう。

と、



「おっ、真凛じゃん」



この声は_



「あっ!裕翔だー!!おはよっ!」



後ろから駆け足で隣に並んでくる、私の幼馴染。

イケメンで、勉強もできて、運動も出来て…自慢の幼馴染だ。



笑顔で振り返り、挨拶をすると、彼も笑顔で返してくれる。



ってゆーかっ!!

急がないとヤバくない!?



「ってか!!急ご!!」



私は、問答無用で、彼の腕をつかみ、走った。

運動神経には自信がある。

しかし、やはり途中で彼に追い越されていまう。



「ちょ、ちょっとぉー!!待ってよー!」



「ほら、早くしろよ。」



そう言いながらも、待ってくれる。

そんな彼に微笑みかけながら、隣に並んだ。
と、



「よっ、と」



ふわっと体が宙に浮くような感覚と共に、彼の声が聞こえた。



え、ちょ、ちょっと待って、これって_



「お姫様抱っこ!?」



「そうだけど?」



しれっとした顔でそう言いながら、早足で学校へ向かう彼。



「ちょっとー!やめてよー!」
笑いながら、彼の肩をポカポカ叩く。



そんな私を知らんぷりして、どんどん歩いていく。



学校へ近づくと、周りにクラスメイトの姿がチラホラ。



「おー!朝からラブラブだなー!」



「おう、俺達仲良いからな!」
裕翔は私を下ろしてから、私の肩を自分の方へ寄せた。



そう。

私達、幼馴染にしては、結構、いや、凄く仲がいいと思う。



「うん!そーだね!!」
そう言って、裕翔に微笑みかけた。



すると、先程私達の事をからかった、裕翔の友達の、隼也くんが、私に耳打ちをするように、



「真凛ちゃん、そういう意味じゃないと思うよ。」



そう言って、ニコッと笑った。



そして、「じゃ、おじゃま虫は退散しまーす!」
と言って、立ち去っていった。



「んじゃ、俺らも行こっか。」



彼の言葉に頷いて、靴を履き替え、裕翔と一緒に教室へ向かった。