わ、私が可愛い!?



ありえない…けど、それを言った所で流されるのが落ちだし?



言わないでおこう。



すると、



「おーいっ!皆に宣告する!!」



いきなり、裕翔が教卓の前に立ち、大きな声でそう言った。



クラスが一瞬で静まった。



かと思えば、裕翔が私の方へ歩いてくる。



「え…?」



裕翔は私の腕を引き、再び教卓の前へと歩きだした。



な、なにこれ…!?今から私…何されるの!?



蒼空に助けを求めようと、彼女の方を向くが、ニヤニヤしてこちらを見ている。



助けるつもりはさらっさら無いだろうな…



すると、いきなり、裕翔が私の肩を引き寄せた。

みんなの前で、だ。



当然、クラスは騒がしくなる。



「キャーーーー!!!!!」



そんな場を再び裕翔は静めて、衝撃的な発言をした。



「コイツ、俺の女だから。……コイツに手ェ出したら、許さないぞ。んじゃ、それだけ。」



そう言って、彼は私の額に軽くキスをした。

いわゆるデコチュー。



一瞬、クラスが静まり返ったかと思うと、わぁっ、と騒がしくなった。



私は、何が起こったのか分からず、放心状態だ。



ふっ、と笑い声が聞こえた。



「お前…顔真っ赤。」



笑いをこらえるようにそういった裕翔。



あんな恥ずかしいことをしといて、彼は全く動じている様子はない。



すると、彼は自分の唇を、私の耳元へ寄せた。



「……っ!!」



「覚悟しとけよ。」



吐息混じりにそう言うと、スタスタと自分の席へ戻っていった。