「わーっ!楽しかったなー!!」



新しい服を買って、ゲーセン行って…



とっても楽しかった!!



裕翔の隣をゆっくり歩いて、ニコッと笑う。



「俺も!…ありがとな、付き合ってくれて!」



また行きたいな~、なんて。



「…あのさ、」



裕翔が、ゆっくり立ち止まって、そう言った。

心なしか、顔が赤くなっている気がする。



漂う緊張感に、ゴクリと唾を飲む。



なんだろう…?私、何かしたっけ…?



「…気付いてる?」



いつになく真剣な瞳に、目を逸らせない。



気付いてるって…何に?



「な、何に…?」



思ったことをそのまま口にした。

すると、はぁぁ…と、長い溜息が聞こえた。



え、なんか…怒こって、る…?



「何で、俺が、お前をデートに誘ったと思う?」



少し呆れてるようにも見える顔で、そう私に問いかけた。



な、なんでって…



「私と久しぶりに遊びたかったからじゃないの?」


私のその発言に、呆れた顔をして、さらに深いため息をついた。



「え…ごめん、違った…?」



あまりにも不機嫌そうな顔をするから、不安になってそう聞いた。



「好きだからだよ。」



それは、突然の告白で。



そもそも、私に向かっていったのかさえ疑った。



でも_




私を見つめる目が、あまりにも、真っ直ぐだったから_



私は、目を逸らせなかった。



「…へ…?」



頭が回らなくて、言葉が出てこない。



スキ……



すき……



好き……




ようやく意味を理解して、顔に熱が集まるのが分かる。



「でも、いいよ。どうせ、幼馴染としてしか見られてないの、分かってるし。」



でも…、と、話を続けた。



「言ったからには、もう遠慮はしないから。」



ど、どうしよう…!!



わ、私…!!!



こ、告白された…!?!?



まだ実感がわかなくて、その場であたふたしていると、裕翔がこちらにやってきた。



そして、無言のまま私の手を取り、歩きだした。



て、手…!!!




は、恥ずかしい…!!



きっと今、顔が真っ赤だろう。

心臓だって、今にも爆発しそうだ。



「あ、そういえば明日、英語の小テストだったな。」



「え!?うそ!?」



完全に忘れてたんですけど…!!


「あ、お前、忘れてたろ?」



意地悪に笑って、そういった。



「わ、忘れてないし!」



「嘘つけー」



そこからは、いつも通りで、楽しく笑い合いながら、帰ることが出来た。



「じゃ、また明日ー」



軽く手を挙げ、裕翔がそう言った。



「また明日ねー!」



大きく手を振り返して、家へ入った。