次の日学校へ行くと、また例の男子が

「ニヤリマンが来たぞ!」

と、私を見て言い笑う。

どうして人の笑顔を奪っておいて笑えるのか。

不思議で仕方がなかった。

私は聞こえないふりをして、無表情のまま

席につき、小説を開く。

小説を読んでいる間だけは、

今居る現実世界から逃げられる気がした。